過去の記事＞＞２００８年の展覧会 2008年 開催期間 展覧会名 出展者 内容 ０８．1１．２９（土）〜1２．1４（日） ‘０８芽楽・ミニアチュール展 ーＩＭＰＲＥＳＳＩＶＥ２００８−２００９− 芽楽とご縁のある作家たち 絵画、版画、立 体、陶芸、ガラス、木工 ■展覧会について 年末恒例のミニアチュール展を１１月２９日〜１２月１４日に開催いたします。当ギャラリーとご縁のある５５名の作家が出展します。昨年まで参加の作家に加えて、新たに９名の魅力ある作家が加わりました。年令は2０歳代の若手作家からベテラン作家まで。作家の地域分布は中部地区が中心ですが、北は岩手県から南は愛媛県まで。海外は、デンマーク、スペインの作家が出展します。ジャンルは絵画、版画、彫刻、立体造形、ガラス、陶芸作品など多岐に亘ります。作品は夫々今最も関心のあるテーマで制作いたします。　小品ですが力作揃いです。　−芽楽 ■出展作家 秋田光彦（水彩画）　　　安藤知哉（陶芸）　　　安藤陽子（平面）　　　石倉悦加（平面）　泉田之也（陶芸）　伊藤孚（ガラス）　乾ももこ（平面）　大泉讃（陶芸）　大島久美（陶芸）大島信人（油彩）　　岡川卓詩（平面）　 尾形アツシ（陶芸）　　　梶千春（立体造形）片山高行（油彩）　　　片山浩（平面）　　　鴨頭みどり（陶芸）　　　栢野紀文（陶芸）　川村友紀（銅版画）　紀平晃子（立体造形）　グスターボ・カルボー・Ｂ（平面）　小澤輝余子（平面）　小澤順一（陶芸）　笹野恵子（平面）　澤村佳代子（平面）　　　柴田さやか（平面）　　　柴田節郎（陶芸）　　　柴田麻衣（（ペインティング）　　　杉本　充（平面）　　高山大（陶芸）　田鶴濱優香（陶芸）　　田鶴濱守人（陶芸）　　多和田千春（（陶芸）　　塚本智也（絵画）　角掛政志（陶芸）　寺田光晴（ガラス）　徳田幹也（油彩）　冨本大輔（陶芸）　西村むつ子（キルト）　　　二宮ひろ子（陶芸）　長谷川直美（銅版画）　濱比嘉詩子（陶彫）　早川知加子（平面）　　広瀬淑子（平面）　福田良亮（油彩）　藤田匠平（陶芸）　藤原優子（平面）　藤原葉子（立体）　　舩橋明裕（平面/立体）　松塚イｴンセン哲子（平面）　　松永泰樹（陶芸）　　森一洲（平面）　　山田想（陶芸）　山野千里（陶芸）　吉田淳治（平面）　　渡辺直彦（日本画） ０８．10．1（土）〜10．16（日） 大島信人展 ーｏｎ　ｔｈｅ　ｔｅｒｒａｃｅ− 大島信人展 油彩 ■展覧会について □作家略歴 　大島信人さんは愛知県生まれ。１９８８年愛知県立芸術大学油科を卒業するが、略歴にある通り、本格的な発表までには約１３年を要している。その間精神的な葛藤、制作上の悩みが少なからずあったようである。葛藤から解き放たれて完成した作品が「ｏｎ　the　ｔｅｒｒａｃｅ」シリーズである。意味不明なカタチ、ダークな色調ながら、不思議な明るさとユーモアを湛えている。筆さばきはあくまでも伸びやかである。しかし１作１作にも苦労のあとが窺える。永い葛藤の末、ようやくめぐってきた瞬間をとらえて、一気に走らせた筆の勢いである。決して軽くない、決して重くない、絶妙の心地良さがある。（芽楽） 1988　愛知県立芸術大学油科卒業 2001　熊谷守一大賞展入選（以降‘０３、‘０５、‘０７入選） 2002　小磯良平大賞展入選 2005　夢広場はるひ絵画ビエンナーレ入選（以降‘０７年入選） 　　　　個展（はるひ美術館） 2006　上野の森美術館大賞展　優秀賞 　　　　花の美術大賞展　奨励賞 　　　　伊豆美術祭絵画公募展　賞候補 2007　とよた美術展‘０７ビエンナーレ優秀賞（‘０４入選） 　　　　上野の森武術館大賞展入賞者展（上野の森武術館ギャラリー） 　　　　作家の視点（上野の森美術館） 　　　　＊当ギャラリーでは‘０６年に続き２度目の個展。 ０８．10．1（土）〜10．16（日） 大泉讃陶展 大泉讃 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 　大泉讚さんは、１９４７年宮城県生まれ。１９７０年陶芸の道に入る。吉田喜彦、小山冨士夫という優れた陶芸家に師事。１９７６年瑞浪市に蛇窯を築き独立。 　南蛮を主体に焼締、信楽、唐津、白磁などを作るが、最近は韓国風の作品も見られる。いずれの作品も詩情を湛えており、手にとるとふっくらとしてじんわり暖かみが伝わってくる。使えば使うほど味わい深くなる。明るく、楽しい作家の人柄が伝わってきます。 　２年ぶり４回目となる今展は、南蛮を中心に約１００点出展します。 讚さんは、陶芸のみならず「食」にも通じています。今回は初日「きのことうつわ」と題してお話していただきます。どうぞお出かけください（芽楽）　 1947　宮城県生 1970　吉田喜彦氏に師事 1973　小山富士夫氏に師事 1976　岐阜県瑞浪市日吉町に蛇釜築窯 1977　韓国へ焼物の旅 　　　　東京銀座中臣画廊にて初個展、以降全国各地で個展開催 　　　　＊当ギャラリーでは２００３年、０４年、０６年に次いで４度目の個展　 ０８．９．６（土）〜９．２１（日） 秋田光彦水彩画展 ー野路の風�V− 秋田光彦 水彩画 ■展覧会について □作家略歴 　秋田光彦さんは身近に残る水辺や野辺、林などを季節の移り変わり、風のそよぎなどを織り交ぜながら水彩絵具で慈しむように描く。それらの絵は、作家の自然への思いが込められており、観る者をおだやかで平和な気持ちに満たしてくれる。類まれな描写力に裏付けられている所以である。水面に映る樹影、光の強弱、樹木の全体や木の葉、枝の細部、水辺の草の葉先、さらに近景から遠景に至る空間表現など、その画風は秋田さん独自の世界である。繊細に描いているわけではないが細部に神経が行き届いている。 　２年ぶりの今展では、四季折々の身近な風景など新作１４点を発表します。ご期待ください。（芽楽） 1953　愛知県岩倉市生 1978　名古屋芸術大学美術学部絵画科卒業 1980〜84　光稜会展 1984〜00　太平洋展　会員秀作賞　90,97,98 1987　第４回伊藤廉記念賞展入選 1994　第２３回現代美術展入選（東京都美術館、京都市美術館） 1996　第４０回安井賞展入選（セゾン美術館他） 2000　個展　ギャラリー１４１（０５） 2004　個展　ギャラリー芽楽（０６、０８） ０８．９．６（土）〜９．２１（日） 小澤順一陶展 ーコーヒーー 小澤順一 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 　小澤さんがこの道に入ったのは３５歳、デザイン業からの転身であった。まず、愛知県立窯業高等技術専門校で基礎を学ぶ。そして卒業と同時に陶芸家鈴木五郎氏に師事。３年間の修行の後、瑞浪市に工房を構えて独立した。その後、毎年個展やグループ展で作品を発表している。 　作品は小品から大壺まで器が中心。デザイン出身らしく独特の絵付けを行う。鮮やかな色と軽妙な絵柄・・・人柄はシャイであるが作品は饒舌である。 　今展のタイトルは「コーヒー」、コーヒーにまつわる種々の作品を出展します。コーヒータイムが一層楽しくなる器たち・・ご高覧ください。（芽楽） 196０　　愛知県名古屋市生まれ 1996　　愛知県立窯業高等技術専門校修了後、　鈴木五郎氏の工房に入る 1999　　岐阜県瑞浪市に築窯、独立する 2001　　個展ギャラリー数寄（０２，０３，０４，０５，０６，０７，０８） 　　　　　個展ギャラリー円居（０２） 2004　　ギャラリー五郎、B-PLACEギャラリー、ギャラリー土ん 2006　　ギャラリー芽楽（０８） ０８．９．６（土）〜９．２１（日）　 ガラスの仕事・伊藤孚 ー実材との対話�U− 伊藤孚 ガラス ■展覧会について □作家略歴 　伊藤孚さんは日本の大学で初めてガラス課程を設置（多摩美大）するなど、日本におけるガラス芸術の流れをリードしてきた作家である。後進の育成を続ける一方、アートの素材としてのガラスの可能性と新しい表現方法を追及してきた。　　作品はガラスとしてはめずらしい平面作品が多い。言わばガラスを素材とした現代アートである。表面に刻まれた痕跡や、いくつか形の組み合わせによる造形は、厚みをもつガラスの、光を透かしたり、閉じ込めたりする作用のなかで不思議な奥行きと深みを感じさせる。 　今展では、板ガラスを吹きで制作するなど古い技法も取り混ぜて、素材であるガラスとの「対話」を楽しみながら創り出した意欲的な新作を発表します。（芽楽） 1940　　大連（中国）生 1964　　多摩美術大学日本画卒業 1964〜７０　　各務クリスタル製作所　製造部門勤務 1976　　多摩美術大学にガラス教育部門を設け指導を開始、現在同大学教授 1982〜０７　　世界現代ガラス展（北海道近代美術館）、ほか世界各地で展覧会活動。コーニング・ガラス美術館他世界各地の美術館等に収蔵 ０８．９．６（土）〜９．２１（日 冨本大輔展 ー側面ー 冨本大輔 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 冨本大輔はいつも印象に残る作品を見せてくれる。緑の苔との対比が美しい白く分厚い鉢、底の丸い白いコーヒーカップ、真っ白いムクの四角い塊、厚地の白い長い水盤、同じく楕円の水盤、白く長い筒、プチプチの白い皿や立体物、白く長い「灯し」、最近発表している薄い角皿、花器、重ねすり鉢等々、いずれもオリジナリティにあふれているている。共通しているのは素材＝磁器、色＝白である。いずれもシンプルでデザイン性に富み、ハッとする美を生み出している。あらゆる事象、モノ、コトから美のヒントを得ているようである。 　余談になるが大輔の父泰二氏は屈指の美術家である。古い窯場に転がっている破れた壺や土に埋もれていたブロック、青竹や朽ちた竹、種々の落ち葉、湖畔の水草、錆びたブリキ、針金・・など見過ごしてしまいそうなものに美を発見される。それらと取合わされた、ここ数年常滑で開催されている「椿展」は圧巻である。大輔も違った視点ながら親の審美眼を受け継いでいるようである。 　今展では、一輪ざしを中心に主に花器を出展します。テーマは「側面」、冨本のこれまでとはちがう側面が見られるかもしれません。（芽楽） １９７３　愛知県常滑市生まれ １９９６　愛知大学経営学部卒業 　　　　　信用金庫入社 １９９８　信用金庫退社し作陶開始 ２００３　個展　ギャラリー芽楽（名古屋市）‘０４、‘０５、‘０６ ２００４　個展　常滑屋（常滑市）ーグイノミ４，０００個によるインスタレーション ２００６　アセアン・セラミック・ワークショップ参加マレーシア/ＵＩＴＭ） 　　　　　個展　ゆこもり（松本市） ２００７　個展　ギャラリー介（東京都渋谷区） 　　　　　個展　ａｒｔ＆ｄｅｓｇｎｅ　ｒｉｎ’（常滑市） ０８．８．２（土）〜８．１７（日） 池田哲夫展 ー奏ー 池田哲夫 油彩 ■展覧会について □作家略歴 　約１５年前、カーラジオから流れるヤッシャー・ハイフェッツのバイオリンの音が私の心を揺さぶりました。澄んだ美しい音色、激しく力強い演奏は、技術や譜面の枠を超えてハイフェッツの生き方そのものから発せられたものでした。その演奏姿勢は自分の絵の制作姿勢への示唆を与えるものでもありました。 　これをきっかけにコンサートや映像で音楽を楽しむようになりました。音を奏でるマエストロ達の表情はこの世の中で最も気高く美しいものに思えました。演奏する術を知らない私はただ尊敬するばかりです。私は彼らを絵のモチーフとしました。描きながら彼らの域を少しでも体感できればと思いました。自分の絵から音が流れるまで描いていますが、なかなか難しいです。描いては壊し、描いては壊しの連続です。 　ここ数年間、時間と場所が定まらず不安定な制作が続きましたが、最近になってようやく描く喜びも時折感じられるようになりました。 　まだまだ拙い絵ですが、終わりのない世界、これからも「自分の絵」を模索しながら描き続けていきたいと思います。　　 　今展では「奏」をテーマに、演奏者を中心に約２０点展示いたします。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ー池田哲夫 1943　熊本県生まれ ■個展歴 1994　　大黒屋画廊（名古屋市） 1997　　参花苑（浜松市） 2000　　参花苑（浜松市） 2004　　磐田市民ギャラリー（磐田市）、ギャラリー芽楽（名古屋市） 2008　　ギャラリー芽楽（名古屋市） ■グループ展 1986　　白美会展（福岡市立美術館　福岡市） 1987　　白美会展（福岡市立美術館　福岡市） 1988　　白美会展（福岡市立美術館　福岡市） 1989　　白美会展（福岡市立美術館　福岡市） 1991　　ゆうえ会展（大黒屋画廊　名古屋市 ０８．７．５（土）〜７．２０（日） 泉田之也陶展 ー薄陶の行方ー 泉田之也 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 岩手県陸中野田に泉田さんの工房を訪ねたのは昨年４月。海岸近くの駅から２０分ほど山手に入った里山の一角にあった。細い道沿いに清流が流れ、沢の脇にはかたくりの花が咲いていた。集落は１５軒、南部曲屋が数軒ある。周りの林も手入れが行き届いていて美しい「日本の里山風景」である。工房はこの豊かな自然に囲まれて、轆轤作業室、ガス窯、穴窯、展示室と充実した設備を備えている。ここには陶芸家は一人しかいない。隣に南部曲屋を利用したアジア民族造形館があり、ここにも泉田さんの代表作が展示されている。泉田さんは地域と深く関わりながら制作を続けている。しかしこの風土の中で２度まで朝日陶芸展グランプリを獲得した泉田さんの繊細で幾何学的な造形がうまれたのか、その関連付けは難しい。わずかに、素朴な風土、曲屋の美しい造形、民族造形館の中にある一部の民族作品の中に、泉田作品に通じるものを感じられはしたが・・・。 　泉田さんは常に独自の質感と緊張感のある形を追求している。一旦焼いた土を砕き再成型された素朴な質感、もろさ感じさせる薄い土で大きく折り曲げられた緊張感のある形・・今展での新作、ご期待ください。　 ＊訪問時、曲屋の食事処で南部料理を泉田さんの器で食したが、器と食材の妙、素朴な味が忘れがたい。今展での器も楽しみです。（芽楽） □泉田之也略歴 1966　岩手県陸前高田市生まれ 1992　小久慈焼窯元岳芳氏に師事 1995　のだ窯にて作陶を始める。日清めん鉢大賞展優秀賞 1998　穴窯での焼成を始める 2000　第３８回朝日陶芸展グランプリ受賞 2002　第４０回朝日陶芸展グランプリ受賞 2004　第２２回朝日現代クラフト展招待出品 　　　　個展、グループ展多数 ０８．７．５（土）〜７．２０（日） 山川マサミ展 ー流木の時間ー 山川マサミ モビール、バランシングトーイなど ■展覧会について □作家略歴 山川マサミさんの作品に初めて出会った時、フーッと頭の中に心地よい風がそよいだのを覚えている。かすかな風に揺れるモビール、手動式の動く木工作品、エスプリのきいた装飾品など・・・。どれも自然な素材ー木目の美しいムク材の他、流木、木の実、浜辺の石、貝殻などーが使われ、あたたかみと懐かしさが感じられた。 　山川さんは愛知県立芸術大学デザイン科を卒業後、島根県で木工技術を習得。その後クラフト作家として活動を開始し、持前の感性で、詩情ただよう、楽しく美しい作品を生み出してきた。それらの作品は全国の主要なクラフト展で高く評価されている。 　今展では、屋久島、知多半島、鳥羽などの海辺で出会った流木を使ったモビールやバランシングトーイなど約２０点展示します。 　確かな技術とデザインセンスに裏打ちされた空間芸術作品、お楽しみください。（芽楽） １９８７　愛知県立芸術大学美術学部デザイン科卒業　卒業制作作品買上 １９８８　個展　アトリエ・ヌーボー（池袋）‘９０、‘９１、‘９２、‘９３ １９８８　全国ウッドクラフト公募展（奨励賞）‘９０（アイデア賞）‘９１（優秀賞）’９６（奨励賞） １９９３　個展　ハートフィールドギャラリー（名古屋）‘００、‘０２、‘０４、‘０６ １９９９　丹波の森ウッドクラフト展（準グランプリ）‘９９（準グランプリ）‘０３（特別賞） 　　　　　‘０４（アイデア賞） ２００７　個展　ギャラリーラウラ（日進） その他、個展、グループ展の他、公募展などで発表 ０８．６．７（土）〜６．２２（日） 八木麟太郎/山下強志展 イメージの森ーせめぎあう自覚、視覚ー 八木麟太郎/山下強志 立体/平面 ■展覧会について □作家略歴 石彫作家、八木麟太郎は石に刻む瞬間、地球の生成とともに今日にある石の来し方と未来に想いを馳せる。そして作品がその存在する点を中心に広く空間に波及することを意識しつつ制作を行う。哲学的風貌から生まれる作品は広く、深く、力強い。 　一方、山下強志は、いわゆる「もの派」作家である。鉄、紙、石、板、わら、ガラスなどの素材を使いながら、その形や組み合わせから、素材そのものの質的変化や、思わぬ緊張感を生む作品が生まれる。 　今展は、ーせめぎあう自覚、視覚ーとういう共通のテーマで制作に取組んでいます。〔芽楽） □八木麟太郎略歴 1983　第１回ディーニエ石彫国際シンポジューム１等賞受賞/フランスディーニエ美術館買上げ 1984　ヴオルヘンブッテル市美術協会ギャラリー　個展/ドイツ 1985　バービカン・センター　個展/イギリス 1987　ドイツ詩人、Ｅｒｎｓｔ　Ｍｅｉｓｔｅｒの記念碑彫刻Ｈａｇｅｎに設置/ドイツ 1989　三井ビル本館サンクガーデンに設置の作品、名古屋市商店街モニュネントコンペにて「最優秀賞」受賞 2004〜2006　ギャラリー芽楽　八木・山下展/名古屋 1991〜2007　岐阜、蛭川「石彫の集い」に第１回〜１６回参加 □山下強志略歴 1977　個展（ときわ画廊） 1980　試行する美術展（山梨美術館）７８４、‘８６、‘８７/日本国際美術展（東京都立美術館、京都市美術館）/セリユニオン展〔山梨県立美術館）以降毎年‘９９まで 　1989〜1990　PAPER　ＡＲＴ/ＪＡＰＡＮ展（ベルリン）（バーゼル・ケルン） 　1995、96，98　４人展（ギャラリー１４１） 1997個展（ギャラリー１４１） 2004〜2006　ギャラリー芽楽　八木・山下展/名古屋 ０８．６．７（土）〜６．２２（日） 角掛政志陶展 角掛政志 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 　角掛さんは岩手県滝沢村生まれ。岩手山の山ふところ、四季折々に豊かな自然に恵まれたところである。筆者も、かって若き日を盛岡ですごしたことがあるが、滝沢周辺の小岩井牧場や網張スキー場で遊んだことは今も懐かしい思い出である。 　角掛さんが陶芸に出会ったのは、故郷を離れて東京にいた頃であり、創作への強い関心を持った。間もなく常滑に赴き、同市陶芸研究所にて基礎を学び本格的に作陶活動を開始した。 　あれから１５年を経る。工房に居るときが最も落ち着けるという角掛さん、日々、機能的で美しい形と質感を求めて研鑽を積んできた。着実に「角掛作品」が形成されてきている。派手さはないが、ムダをそぎ落としたシンプルな美しさには普遍性さえ感じさせる。古代から現代まで残ってきた美しさの「カタチ」にも通じる。それは角掛さんが目指しているものでもある。 　今展では鉄釉や粉引などによる碗、皿、花器など器類の新作を発表します。是非ご高覧ください。（芽楽） 1970　岩手県生まれ 1993　常滑市陶芸研究所修了 　　　　個展多数開催 ０８．５．１０（土）〜５．２５（日） 広瀬淑子展 ー紫陽花の頃ー 広瀬淑子 平面 会場風景 ■展覧会について □作家略歴 広瀬さんの故郷は南木曽である。江戸と京を結ぶ中仙道の要所であった。今もその面影を色濃く残している。広瀬さんの南木曽への想いは年を追う毎に深まるようである。幼い頃からの交友関係は、なお深い絆で結ばれている。これまでの展覧会でも度々取り上げられた「紫陽花」も南木曽と無関係ではない。幼い頃、庭には紫陽花が植えられており、梅雨時、鮮やかに咲き誇っていた。今もアトリエの庭に紫陽花があり、画題ともなっている。現代美術作家として大きな足跡を残してきた広瀬さんの大規模なインスタレーション作品の題材としても取り上げられてきた。 　今展では南木曽の和紙に描かれている。、丹念に丹念に描かれた紫陽花の一枚一枚にぎっしり思い出が詰まっているようである（芽楽） 1943　長野県生まれ 1965　日本大学文理学部心理学科卒業 1978　個展　シミズギャラリー（犬山） 1982　個展　玉屋画廊（東京）　‘８５、‘８９、‘９１、‘９５ 1984　個展　丸善（名古屋）　‘８５ 1986　個展　ギャラリー岡崎（京都） 1987　個展　アマダアートギャラリー（伊勢原） 1996　個展　ギャラリー達磨（名古屋） 1999　個展　ＧＡＲＥＲＩＥ１４１（名古屋）‘０１、‘０４ 2002　個展　ギャラリー芽楽（名古屋） 2006　房展（グループ）　ギャラリー芽楽（名古屋） ０８．５．１０（土）〜５．２５（日） 鴨頭みどり陶人形展 ー森の動物と樹霊たちー 鴨頭みどり 陶芸 会場風景 ■展覧会について □作家略歴 　数年前、常滑のギャラリーで鴨頭さんの作品と初めて出会った。陶でできた歪な人形や動物たち。姿カタチは不ぞろいで決して美しくはないが、妙に愛嬌がある。生き生きとしたその表情からは突き抜けたような明るさや自信、茶目っ気みたいなものも窺える。 　古くは埴輪、土偶の時代から、人は現実の世界では叶えられない、あるいはそれを超えた夢やこうありたいという願いを人形の姿、形、表情に写し想いを託してきた。益々複雑化していくこの時代、鴨頭さんの作品には、現代人の心を和ませる何かがある。 　今展では様々な動物達のオンパレードです。鴨頭ワールド、お楽しみください。（芽楽） 1977　愛知県瀬戸窯業訓練校卒業 1980　メキシコ トルーカ陶磁器学校勤務 1985　多治見市市之倉に「松永工房」開窯 1987　'88　日本クラフト展入選 1992　第3回国際陶磁器展美濃'92 陶芸部門 銅賞受賞 1998　朝日クラフト展入選 ０８．４．５（土）〜４．２０（日） 杉本　充展 ーメッゾ・フレスコおよびカゼイン・テンペラ作品によるー 杉本　充 フレスコ等 会場風景 「ｕｎｔｉｔｌｅｄ」石灰カゼインテンペラ　Ｓ８ ■展覧会について □作家略歴 　杉本さんはこれまで、モザイクやフレスコによる壁画制作、アクリル、パステル、木炭、油彩などによる平面作品など多伎に亘って制作してきた。その技法もまた多様である。それらは杉本さんが求める精神世界の表現と深く関わっている。特にフレスコについては永い経験に裏打ちされ、少しづつ変化してきた。 　今展では、フレスコ技法の、色彩とマチエルの特性を生かしつつ、これまでの表現制約的課題を解決するため、「メッゾ・フレスコ」、「カゼイン・テンペラ」という技法を試みている。 　「穏やかな光と静かな空間」に満ちた新しい杉本充の世界をお楽しみください。（芽楽） 1948　　静岡県生まれ 1973,77　　壁画グループ展（東京） 1976　　現代日本美術展（東京、京都） 1985　　ホアン・ミロドロ＾イング展（スペイン） 1994　　アルリーフ・ギャラリー個展（ドイツ） 1997　　柴山国際野外アート展（千葉） 1999　　中日現代美術友好交流展 2003　　名古屋コンテンポラリーアートフェア【名古屋） 2001-2006　　ギャラリー芽楽個展（名古屋） 2007　　パラミタ美術館（三重県菰野市） ０８．４．５（土）〜４．２０（日） 田鶴濱守人陶展 田鶴濱守人 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 田鶴濱守人は1973年東京生まれ。多摩美術大学大学院では油絵を学んだ。学生時代に根津美術館で見た李朝「雨漏堅手茶碗」の硬質な素材のなかにみられるやわらかな表現に魅せられたのが陶芸との出会いである。画題ともしていたが、作陶にも手を染め、夢中になる。 　院修了の２０００年知多半島にて本格的に作陶活動を開始、一層その魅力につかれる。その後２００６年半田市に工房を構え精力的に発表活動を続けている。 　田鶴濱は「工場地帯に広がる、錆びたダクトやタンク」、「雨上がりのコンクリートのにじみ」などに美を感じるという。それ等は人工でもない、全くの自然でもない「有機と無機の間」、「誰が作ったものかわからないもの」である。自ずと作品の質感や表情にもその美意識が働いている。彼の作品にホッとするのはその所為でろう。 　形も作為的なものは避けてきた。自らの美の概念に沿って制作するうちに新たなカタチに出会ったりする。彼はその出会いを大切にしている。 　絵画、陶芸を通じて育んできた田鶴濱の美の世界、これからが楽しみです。（芽楽） １９７３　　東京都生まれ ２０００　　多摩美術大学大学院修了後、愛知県常滑市に移住 ２００６　　愛知県半田市椎ノ木町に築窯 　　 ０８．３．８（土）〜３．２３（日） 乾ももこ展 乾ももこ 油彩他 「ｕｎｔｉｔｌｅｄ」 ■展覧会について □作家略歴 　高校時代から美術を学び、２００６年に名古屋造形芸術大学洋画コースを卒業、さらに１年間同研究生を修了した若い作家である。２００６年の美系優秀展の作品に非凡なものを感じ、その後のはるひビエンナーレの入選作品、同美術館での彼女の作品展を見るにつれ、可能性を感じた。　 　「私の基準で捉え」「私にとっての美しさを描く」と述べている通り、モチーフの把握、描く動機、描き方に独自性を貫いている。画家にとって優れた資質と言える。 　モチーフに自らの美意識を乗せて伸びやかストロークで描いた作品には、心の不安も覗かせているが、大きさと広がりを感じる。これからの展開が楽しみな作家である。（芽楽） 1983　　静岡県出身 2002　　名古屋造形芸術大学　洋画コース入学 2006　　名古屋造形芸術大学　洋画コース卒業 2007　　名古屋造形芸術大学　洋画コース研究生修了 　　　　　第５回夢広場はるひ絵画ビエンナレ　入選 個展 2008　　ギャラリー芽楽（名古屋市） グループ展 2005　　ハンキョウエン　名古屋市民ギャラリー矢田(４月、７月） 2006　　ｔｗｏ　ｔｗｏｓ　ノリタケの森ギャラリー 　　　　　美系優秀　文化フォーラム春日井・ギャラリー 2007　　Ｒｅｐａｉｎｔ　アートスペースＡ１　 ０８．３．８（土）〜３．２３（日） 高山大陶展 ープリミティブモダンー 高山大 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 　高山大は優れた陶芸家を父にもつが、すぐにこの道に入ったわけではない。２年間サラリーマン生活を経験するが、違和感を覚え、選んだのは、やはり小さい頃から親のもとで慣れ親しんだ陶芸の道であった。すぐに京都の近藤家（近藤悠三、濶、高弘と続く陶芸の名門）に弟子入りし、染付けの濶氏、オブジェの高弘氏と異なる作風を学ぶ。５年間の修行の後、独立するが、その年アフリカで土器の制作に携わる。これらの体験に加え、好きなホアン・ミロや、パウル・クレー、そして郷土の作家浅野弥衛などからも影響を受け、現在の作風が形成されてきている。 　大きな壷や花器にはアフリカや縄文のプリミティブな感覚、平面的な作品に処理された子気味良い線刻にはリズムやスピードなど現代美術の感性に通じている。創作力は旺盛で、年々新しい分野に挑戦しており、これからの展開が面白い。 　工房は山里の一角にあり、広い敷地に作業場、展示室、薪窯、ガス窯など充実した設備が整っている。広い緑の庭には只１本の大木が庭全体に影をおとしている。こんな風格のある創作現場から生まれた今展の「プリミティブ・モダン」、そしてこれからの作品、ご期待ください。（芽楽） 1972　　三重県津市生まれ 1996　　近藤濶氏、近藤高弘氏に師事 2001　　独立 2002　　個展（京都高島屋美術工芸サロン） 　　　　　タンザニア・ブジョラ村にて土器の研究制作 2003　　個展（久居庵早田）　‘０７ 2004　　「Ａｓｉａｎ　Ａｒｔ　Ｎｏｗ」（ラスベガス 2005　　個展（パラミタミュージアム小ギャラリー　　他） 　　　　　朝日陶芸展入選 2006　　国民文化祭陶芸展知事賞受賞 2007　　個展（赤坂乾ギャラリー/東京　他） 　　　　　三重のやきもの展準大賞受賞 　　 ０８．２．９（土）〜２．２４（日） 片山高行展 ーわたしと私はずいぶん前から、そこにいたー 片山高行 油彩他 見つけ出せ　深い森のはずれで ■展覧会について □作家略歴 片山は数年にわたり神秘的で深層心理を探るような「白い」ペインティング作品を制作してきました。本展では画面の半分を「黒」が占めるようになり、見るものへの緊張の度合いが強くなっています。また、ペインティングにレ−スカーテンを加えることにより、現実と虚像のコントラストが強く感じられ、表現により一層の深化を感じさせます。片山の作品は時に難解な印象を与えますが、それは複雑化された難解さではなく根源的なものをシンプルに象徴化したものだからでしょう。（芽楽） 1967　　東京生 2000　　個展　小野画廊（銀座）、　その他展　中和ギャラリー（銀座）、Ｋｅｙ　Ｇａｌｌｅｒｙ（銀座） 2002　　個展　Ｇａｌｅｒｉｅ　Ｚｏｎｅ　Ｆ（ベルリン） 2003　　個展　ギャラリー芽楽（名古屋）、Ｓｃｈｕｔｅｎｈｏｔ−Ｍｅｔｔｉｎｇｅｎ（メッチンゲン）　その他展、ＮＩＣＡＦ２，００３ＴＯＫＹＯ、ＬＩＮＥＡＲＴ（ゲント・ドイツ） 2004　　個展　ギャラリー銀座１丁目（銀座）、ギャラリー芽楽（名古屋）　その他展　Ｈｕｉｓ　Ｖａｎ　Ｋｙｏｋｏ（ゲント・ベルギー）、ＬＩＮＥＡＲＴ（ゲント・ドイツ）　 2005　　個展　ギャラリー芽楽（名古屋）、Ｇａｌｅｒｉｅ　１６２（エッセン・ドイツ）、他韓国にて開催　その他展　ＭｉＡｒｔ（ミラノ・イタリア）、Ｇａｌｌｅｒｉａ　Ｄｅ　Ａｒｔｅ　Ｇａｕｄｉ（マドリッド）他 2006　　個展　ギャラリー芽楽（名古屋市）、ギャラリー銀座１丁目（銀座） 　　　　　その他展　Galeria STOCK（ウィーン・オーストラ）他 2007　　個展　ギャラリー銀座１丁目（銀座）,他韓国にてグループ展開催 ０８．２．９（土）〜２．２４（日） 大島久美陶展 ーGardenー 大島久美 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 昨年に続いて２度目の個展。最近は種子をモチーフにしたオブジェや器を制作している。 ムダがなく、エネルギーを内包した美しいカタチ、独特の黄色の釉薬を施したやわらかい質感など大島さんの豊かな感性が感じられます。 　今展のテーマは「ｇａｒｄｅｎ」、種子から花が・・。庭には生命の息吹が満ちています。 器では、新たに皿やふたものなどを出展いたします。お楽しみください。（芽楽） 1975　　名古屋市生 1995　　金城学院大学短期大学部生活学科生活造形専攻卒業 2002　愛知県立瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科修了 2002〜05　　瀬戸市新世紀工芸館（企画制作員） 2001　　第３９回朝日陶芸展入選、 2002　　第４０回朝日陶芸展入選、 2005　　「瀬戸の現代陶芸」（瀬戸市美術館） 　　　　　「第８回集団Ｐ陶芸展」（ノリタケの森ギャラリー）‘０６ 2006　　「ＣＬＡＹ信楽、瀬戸、常滑陶芸作家合同展（ノリタケの森ギャラリー） 　　　　　個展（ｍｉｔｔｅ　名古屋市） 2007　　個展「呼吸するカタチ」（ギャラリー芽楽　名古屋市） 2008　　個展「Ｇａｒｄｅｎ」（ギャラリー芽楽　名古屋市） ０８．１．１２（土）〜１．２７（日） 福田良亮展 ー夜の庭ー 福田良亮 油彩他 ■展覧会について □作家略歴 　昨年の個展、不安げな赤や紫の色を帯びた夕景色。遠くを見つめ、黙考する一羽の鳥。誰しも１度は体験する青春の一コマを見事に描ききった福田良亮２６歳の作品である。 　あれから１年、一日一日を懸命に生き、絵にぶつける毎日である。 今展のテーマは「夜の庭」。深いカオスの中に一筋の光を見つめる。　はたして福田はどんな変化をとげたであろうか。（芽楽） 1980　　名古屋市生 2000　　多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻入学 2002　　同大中退 個展 2002　　河合塾美術研究所（三鷹） 2005　　西瓜糖（阿佐ヶ谷） 2006　　ｒｏｏｆ　ｃａｆｅ＆ｂａｒ　ｇａｌｌｅｒｙ（国分寺）西瓜糖（阿佐ヶ谷） 2007　　ギャラリー芽楽（名古屋市）、‘０８ グループ展 2000〜　新宿アートギャラリー、ｋｅｙ　ｇａｌｌｅｒｙ、青樺画廊、ＮＩＣＨＥ　ＧＡＬＬＥＲＹ 　　　　　八王子夢美術館、ギャラリ−汲美他で開催　 ０８．１．１２（土）〜１．２７（日） 安藤知哉陶展 ー宇宙ー 安藤知哉 陶芸 ■展覧会について □作家略歴 湯呑や抹茶茶碗、皿、鉢など安藤さんの器を愛用している。飽きることはない。「精巧ではないが自然、均一ではないがカタチ面白く、派手ではないが美しい。加えて手触り感があたたかい」・・、いつもながらこの言葉に尽きる。カタチを楽しみ、色を楽しみ、料理を楽しむ日々である。 　　今展のテーマはー宇宙ー。白土、赤土に白マット、天目、灰釉、御影などの釉薬を施し、窯にまかせて焼いた安藤さんの「器」。 　　その小さな器の中に無限の世界を見る。お楽しみください。（芽楽） 1958　　愛知県西枇杷島町生 1991　　石原将安氏と出会い陶芸を始める 1997　　内田剛一氏のアシスタン 1998　　グループ展　ギャラリー陶成（信楽町） 1999　　和田伸政氏、内田剛一氏と共にタイのダンクウェンにて陶作 2000　　和田伸成氏と共にアフリカウガンダ、マケレン・ユニバースカレッジにてワークショップ 2003、４，５，６，８　　個展　ギャラリー芽楽（名古屋市）