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2006年
開催期間 展覧会名 作家名 」作品内容
０６．１２．２（土）～1２．１７（日） ‘０６芽楽・ミニアチュール展
ーＩＭＰＲＥＳＳＩＶＥ２００６～２００７ー		 ４７名のアーチスト 絵画、版画、彫刻
陶芸他
会場風景 　　　　会場風景
　年末恒例のミニアチュール展を１２月２日～１７日に開催いたします。当ギャラリーとご縁のある４７名の作家が出展します。昨年まで参加の作家に加えて、新たに16名の魅力ある作家が加わりました。年令は23歳の若手作家からベテラン作家まで。作家の地域分布は中部地区が中心ですが、北は岩手県から南は愛媛県まで。ジャンルは絵画、版画、彫刻、立体造形、陶芸作品など多岐に亘ります。作品は夫々今最も関心のあるテーマで制作いたします。　小品ですが力作揃いです。　－芽楽
□出展作家
秋田光彦（水彩画）　　　安藤知哉（陶芸）　　　安藤陽子（日本画）　　　石川容子（インスタレーション） 石倉悦加（平面）　　　泉田之也（陶芸）　　　大泉讃（陶芸）　　　大島信人（油彩）　　岡川卓詩（平面） 尾形アツシ（陶芸）　　　梶千春（立体造形）　　　片山高行（油彩）　　　片山浩（平面）　　　鴨頭みどり（陶芸）　　　栢野紀文（陶芸）　　　川村友紀（銅版画）　　　鯉江明（陶芸）　　小澤輝余子（平面）、,小澤順一（陶芸）　　　澤村佳代子（平面）　　　柴田さやか（平面）　　　柴田節郎（陶芸）　　柴田麻衣（（平面）　　杉本　充（フレスコ画）　　溜久美子（エッティング）　　　多和田清子（陶芸）　　多和田千春（（陶芸）　　　角岡秀行（陶芸）　　徳田幹也（油彩）　　　冨本大輔（陶芸）　　西村むつ子（キルト）　　　二宮ひろ子（陶芸）　　　早川知加子（平面）　　　広瀬淑子（平面）　　藤田匠平（陶芸）　　　藤原優子（平面）　　　藤原葉子（立体）　　舩橋明裕（平面）　　松下涼（陶芸）　　松永泰樹（陶芸）　　森一洲（平面）,　　八木麟太郎（立体）　　山下強志（平面）　　山野千里（陶芸）　　湯山治子（陶芸）、吉田淳治（水彩画）　　渡辺直彦（版画）　
０６．１１．１１（土）～1１．２６（日） 片山浩展
ーＳｃｅｎｅー
 片山浩 平面
会場風景 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Ｓｃｅｎｅ＃３　ｂａｃｋ
　片山浩の作品は、ここ数年に亘り、いくつかの個展、グループ展で版画やアクリルなどの作品を拝見してきた。最も強く印象に残ったのは、２００５年、愛知県芸術文化センターで開催されたIndependent　ーイメージと形式ー展　に於ける３作であった。「Ｌａｎｄｓｃａｐｅ」と題されたその作品は見る者を画面の中に誘うような深い感覚を覚えた。
　記憶と現実を行き来しつつ内省的活動から生み出された所産であろう。－芽楽
鮮やかな記憶の背後には、いくつもの「なんでもないこと」が積み重なって分厚い層を成している。それは何かをきっかけとして浮かび上がり、目の前の風景を違うものへと変化させる。記憶と眼前の風景とが重なって生まれる新しい光景、それを画面に定着させたいと思う。ー片山浩
■片山浩略歴
1971 大阪市生まれ
1994 名古屋芸術大学美術学部絵画科洋画専攻版画選択コース卒業
1997 愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了
個展
1996 STITCH（ガレリア・フィナルテ／名古屋 98，01、04）
1999 printings（ギャラリーAPA F2／名古屋 03）
2004 one mimute ago（ギャラリーAO／神戸）
2006 Scent / Water / Light （King Mongkut's Institute of
Technology／バンコク／タイ）
2006 Ｓｃｅｎｅ（ギャラリー芽楽/名古屋）
０６．１１．１１（土）～1１．２６（日） 角岡秀行陶展
ー四季ある国の喜びー		 角岡秀行 陶芸
　角岡さんの工房‘風舎’を訪ねたのは今年の３月である。豊田市の郊外、小高い台地にある。かっては白樺派の人々が入植した開墾地であったらしい。周囲は見晴らしの良い、ゆったりとした景観である。工房の前に大きな桜があり、都会では味わえない開放感である。この桜の木は角岡さんにどんな影響を与えているのだろうか、などとつい考えていた。
　工房で作品を見ながらいろんな話を伺った。何といっても彼の経歴が興味深かった。ビートルズ、バンド活動、京都、奈良での古社寺めぐり、焼芋わらび餅売り、そして焼物との出会いから陶芸家になるまでの過程にはどこにもひとの考えに左右された跡はなく、足元を見ながら、自分の信念で一歩一歩着実に歩いてきたことが窺える。
　創作活動においてもその姿勢は一貫している。いつも古き美しきものに心惹かれ、自らの作風に活かしてきた。　　　　　（芽楽）
 四季に恵まれた風土から生み出される食材、工芸品の素材、
それらに感謝を忘れることなく仕事する、
生きて行く。
ー角岡秀行
０６．１０．２１（土）～1１．5
（日）		 杉本充展
ーフレスコ画を中心にー
 杉本充 フレスコ画
会場風景 ｕｎｔｉｔｌｅｄ　ａｆｆｒｅｓｃｏ　１０号　２００６
■展覧会について
　　２００１年以来、当ギャラリーで６回目の個展である。フレスコ画などの手法により深く広い「気」の世界を表現してきた。いにしえの空を想いおこす澄んだブルー、無音の宇宙に浮遊し流れるもの、不可視な心の中の移ろいなど、見る者を異次元の世界に導く。
　今回はフレスコ画を中心に展示します。さらに進化した杉本さんの新作展をお楽しみください。（芽楽)
■ー杉本充略歴
1948 静岡県生　
1975 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程（壁画専攻）　修了
1985～2005 日本福祉大学　助教授　教授（１９９６～２００５）　
1973～７７ 壁画グループ展（東京、大阪フォルム画廊）
1985 アルヒーフ・ギャラリー（ドイツ、フリードベルギャラリー、ドイツ）
1997 柴山国際野外アート展‘９７（千葉、柴山　仁王寺）
1999 中日現代美術友好交流展（上海、劉海栗美術館）
2003 名古屋コンテンポラリーアートフェア（名古屋　市民ギャラリー）
2001～2006 個展　ギャラリー芽楽（名古屋市）
■作家コメント　
　　フレスコ（ｆｒｅｓｃｏー正しくはａｆｆｒｅｓｃｏ＝フレスコ画）の素材感を活かした制作を心掛けています。フレスコ画技法はもともと色彩表現に向いているともいえますが、色彩の美しさを狙うというよりもは、画面に吸収され石灰の皮膜におおわれて定着するフレスコ独特の味わいを表現に活かしていければと思っています。ー杉本充
０６．１０．２１（土）～1１．5
（日）		 松永泰樹陶展
ー白土（しらつち）のフォルムー		 松永泰樹 陶芸
■展覧会について
　松永さんの作品を初めて拝見したのは２００４年１０月のミノセラミックナウ２００４（於　岐阜県現代陶芸美術館）である。松永作品は取っ手の太い注器と下半分彩色されたぐい呑であった。ともに白磁であるがカタチの美しさと彩色効果、そしてその存在感が印象に残った。
　昨年５月工房を訪ね、器やオブジェなどの作品を拝見した。どれも高度の技と感性の所産であろう・・シンプルで美しいカタチと色である。ながい時間をかけて自らの美を追求する作家の姿勢が窺えた。
　今回のテーマは「白土（しらつち）のフォルム」。陶土でカタチを造り、その上に幾度となく白化粧を施した柔らかみのある作品である.（芽楽）
■作家コメント
磁器の持つ硬くて冷たいシャープな石の白に対して
柔らかで優しく穏やかな土の白・・・・
　その白土（しらつち）に出会い
　加飾を廃して余分を削ぎ落としていく作業により
　見えてきた白土のフォルムです。　
■作家略歴
1977 愛知県立瀬戸窯業高等学校専攻科陶芸コース修了　　　　
　　　　 マレーシアAW POTTERY 勤務
1980 マレーシアペナン ASIAN POTTERY 勤務
1981 メキシコトルーカ陶磁器学校勤務
1985 多治見市市之倉に「松永工房」開窯
1991 陶磁器デザインフォーラム・せとグランプリ
2003 個展　黒田陶苑（銀座）
2004 個展　ギャラリー蓬莱（名古屋市）
０６．９．30（土）～10．15
（日）		 八木麟太郎・山下強志２人展
ーイメージの森ー
せめぎあう自覚、視覚
 八木麟太郎
山下強志		 立体
平面
会場風景 八木麟太郎　時の始まり 山下強志　眠るルーシー/０６－４
■作家コメント　八木麟太郎
　一つの物がここにある、とする。この物から受けるイメージを分析してみる。
この物の客観的事実と感性を通して見た　この物　この二つからイメージそのものを抽出することを試みてみたた。
 ■作家コメント　山下強志
　　僕のカメラはオートフォーカス。スイッチオン、パチリでOK。
　　でも、制作する「モノ・コト」に対してはいつもマニュアル。
　　オートフォーカスは付いていないものね。
　　と、いう事は――ボク以外の人から見るとピンボケに見えるかも….
■八木麟太郎略歴
1983　第１回ディーニエ石彫国際シンポジューム１等賞受賞/フランスディーニエ美術館買上げ
1984 ヴオルヘンブッテル市美術協会ギャラリー　個展/ドイツ
1985 バービカン・センター　個展/イギリス
1987 ドイツ詩人、Ｅｒｎｓｔ　Ｍｅｉｓｔｅｒの記念碑彫刻Ｈａｇｅｎに設置/ドイツ
1989 三井ビル本館サンクガーデンに設置の作品、名古屋市商店街モニュネントコンペにて「最優秀 賞」受賞
2004～2006 ギャラリー芽楽　八木・山下展/名古屋
1991～2006 岐阜、蛭川「石彫の集い」に第１回～１６回参加
■　山下強志略歴
1977　　個展（ときわ画廊）
198　　　0試行する美術展（山梨美術館）７８４、‘８６、‘８７
　　　　　日本国際美術展（東京都立美術館、京都市美術館）
　　　　　セリユニオン展〔山梨県立美術館）以降毎年‘９９まで
1989～1990　　PAPER　ＡＲＴ/ＪＡＰＡＮ展（ベルリン）（バーゼル・ケルン）
　19９５、９６，９８　　４人展（ギャラリー１４１）
1997　　個展（ギャラリー１４１）
2004～2006　　ギャラリー芽楽　八木・山下展/名古屋
０６．９．30（土）～10．15
（日）		 安藤知哉陶展
ーイタリアンー		 安藤知哉 陶芸
会場風景 会場風景
２００３年の初個展以来今年で４回目の個展。土鍋、茶碗、サラ、酒器、花器・・・と創る対象は夫々異なるが、いずれも安藤さんならではの色とカタチである。土や釉薬への旺盛な研究心と安藤さんの人柄が織り成す作品は他にない魅力をたたえている。陶芸の道に入る前に体験したバイオリン製作、皮工芸、ガラス工芸（ステンドグラス）などの技や美意識も少なからず生かされている。作品は、精巧ではないが自然、均一ではないが一つ一つおもしろく、派手ではないが美しい。加えて手触り感があたたかい。
今回のテーマは「イタリアン」。トマト、オリーブ、緑野菜、パスタ、パン、魚、チーズやワインなどのイタ食材に安藤さんの器がどんなハーモニーを奏でるか。（芽楽）
■作家略歴
1958 愛知県西枇杷島町生
1991 石原将安氏と出会い陶芸を始める
1995 愛知県西加茂郡小原村に築窯
1997 内田剛一氏のアシスタント
1998 グループ展　ギャラリー陶成（信楽町）
グループ展　ギャラリー象屋（長久手町）
1999 和田伸政氏、内田剛一氏と共にタイのダンクウェンにて陶作
2000 和田伸成氏と共にアフリカウガンダ、マケレン・ユニバースカレッジにてワーク
ショップ
2001 グループ展　ギャラリーさかな（一宮市）
2004 和田伸成氏と共にニューヨークソーホーにてワークショップ
2003～０6 個展　ギャラリー芽楽（名古屋市）
０６．９．９（土）～９．２４（日） 片山高行展
ＨＯＬＹ　ＧＲＡＩＬ
聖杯＿または＿あふれでる時
 片山高行 油彩
会場風景 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＨＯＬＹ　ＧＲＡＩＬ
■作家コメント
　「HOLY GRAIL －聖杯－」とは脳裏の奥に持っている地下洞窟の教会にある時代を映し出す鏡。ルドルフ・シュタイナーの言うアカシック・レコードの入口の象徴。

　私はある日、夢で視ました……秘められた洞窟を下っていくと、うっすらとやわらかな光をあびた杯を……そこからは水が溢れ出ていました……杯をのぞきこんで見てみると淡いブルーの羽根のような光が揺れていました……私はそれが「HOLY GRAIL－聖杯－」であるとわかった……時は満ちた……今はまさに予言の時代……
　満ちた時を戻す方法は、時が満ちているということを知ることです。そして伝えることがアート（文化）です。知ることことにより意識的にも無意識的にも抑止力が働くのです。そのことを「HOLY GRAIL －聖杯－」は私に伝えました。
　「あふれでる聖杯」のイメージは、混迷の時代に生きる私たちの精神を映し出すかのようであり、普遍的無意識が意識に顕在化したものかもしれません。
　私が作品制作において重要なことは人種のアイデンティティを越えた意識の奥底に存在している元型に近づくことができるかということです。

　私は数年にわたり「White－白」をコンセプトに神秘的で精神性を追求したペインティング作品を制作してきました。本展ではペインティングに加え、映像、オブジェクトといった多角的なアプローチで、今回のテーマである「HOLY GRAIL －聖杯＿または＿あふれでる時－」をプレゼンテーションすることを試みました。
　さまざまなメディアでの表現がお互いに共鳴しあい、より直感的に、より皮膚感覚に近いかたちで再現することを試みました。　片　山　高　行
■作家略歴
1967 東京生
2000 個展　小野画廊（銀座）
2001 個展　小野画廊（銀座）、
その他展　中和ギャラリー（銀座）、Ｋｅｙ　Ｇａｌｌｅｒｙ（銀座）
2002 個展　Ｇａｌｅｒｉｅ　Ｚｏｎｅ　Ｆ（ベルリン）
2003 個展　ギャラリー芽楽（名古屋）、Ｓｃｈｕｔｅｎｈｏｔ－Ｍｅｔｔｉｎｇｅｎ（メッチンゲン）
その他展、ＮＩＣＡＦ２，００３ＴＯＫＹＯ、ＬＩＮＥＡＲＴ（ゲント・ドイツ）
2004 個展　ギャラリー銀座１丁目（銀座）、ギャラリー芽楽（名古屋）
その他展　Ｈｕｉｓ　Ｖａｎ　Ｋｙｏｋｏ（ゲント・ベルギー）、ＬＩＮＥＡＲＴ（ゲント・ドイツ）　
2005 個展　ギャラリー芽楽（名古屋）、Ｇａｌｅｒｉｅ　１６２（エッセン・ドイツ）、他韓国にて開催
その他展　ＭｉＡｒｔ（ミラノ・イタリア）、Ｇａｌｌｅｒｉａ　Ｄｅ　Ａｒｔｅ　Ｇａｕｄｉ（マドリッド
０６．９．９（土）～９．２４（日） 栢野紀文陶展
ー無垢な無垢ー		 栢野紀文 陶芸
会場風景 無垢玉
■作家コメント展覧会について
「表も裏も上も下も横も縦も、付け足しても削っても、あらゆる面は、栢野にとって表現の対象である。心を解き放ち、内から現れた形や色をさぐりながら、手が自由に遊ぶ。そうして創られた作品はのびやかで美しい。一見、器なのかオブジェなのか判然としないものもあるが、器として使うとすれば、それは使い手の創造力を促すことにもなる。新作展お楽しみください。（芽楽）
■作家コメント
　無垢（かたまり）をテーマに自分の新しいカタチをみつけられたらと思います。それでは芽楽発Ｉｄｅｎ＆Ｔｉｔｙ探しの旅に出発です。　栢野紀文

■作家略歴
1971 岡山県生
1997 岡山大学教育学部美術教育研究科修了。滋賀県陶芸の森研修生
第３５回朝日陶芸展グランプリ
1998 愛知県常滑市に移る。吉川正道氏のもとで勉強（２００４独立）
2003 個展　ギャラリーセピカ（常滑市）
2005 個展　山画廊（四日市市）、ギャラリー芽楽（名古屋市）
2006 ギャラリー芽楽
2006/7/２２
～８/６		 大島信人展
ーＯｎ　Ｔｈｅ　Ｔｅｒｒａｃｅ		 大島信人 油彩
会場風景 Ｏｃｈｅｔ　Ｆ１２　油彩　２００６
昨年（２００５）のはるひビエンナーレ、優秀作品が並んでいるメインの展示室ではなく、もう一つの小展示室にあった入選作品の一つに強く惹かれた。大島信人の「Ｏｎ　ｔｈｅ　ｔｅｒｒａｃｅ」である。意味不明なカタチ、ダークな色調ながら、不思議な明るさとユーモアに爽快感が走った。「突き抜けた」者のみが表現できる域ではないかと思った次第・・。永い葛藤の末、ようやくめぐってきた瞬間をとらえて、一気に走らせた筆の跡がうかがえる。それが何とも気持いい。（芽楽）
■作家コメント
今回の個展は小品中心に描いてみました。小さいながらも思った以上に自由で楽しい制作となり、とても自分らしい表現に出会えたような気がし
ます。ー大島信人
2006/7/２２
～８/６		 小澤順一作陶展
ービールー		 小澤順一 陶芸
小澤さんの工房を訪ねたのは今年の初春である。瑞浪市の南東部、国道１９号線から程遠からぬ丘の上にある。広い敷地に古い平屋建ての住居用家屋、大きなガス窯を設置した建物、作品や資材を置いた古い建物の３棟がある。奥の庭らしきところには二本の白梅。今を盛りに咲いていた。開け放たれた住居の窓からの眺めが素晴らしい。田畑の向こうは杉林、その向こうの谷越には山なみが遠望できる。温かい日差しのせいか軒先の風鈴が涼しげである。板敷きの開放的な住居には迫力のある大きな壷など作品が整然と配置。自作の棚には焼物関係の本、美術書や哲学書などが並ぶ。ステレオの上には多数のＣＤが並び、ゆるやかなピアノソナタが流れていた。知性と感性をみがき、技の研究を怠らない姿勢が垣間見られた。
＊陶芸の道にはいったのは３０代。瀬戸窯業技術高等専門学校を卒業後、鈴木五郎氏に師事。独立後個展を通じて作品発表を続けている。
■作家コメント
ビールをテーマにしたカップがメインの展覧会です。色、形、大きさ、重さの違うカップをたくさん作ります。冷凍庫で冷やした陶器のカップで飲むビールはおいしいですよ。マイカップを見つけにきてください。ー小澤順一
2006/7/1
～7/1６		 早川知加子展
ーｓｍａｌｌ　ｌｉｖｉｎｇ　ｔｈｉｎｇ
ー
 早川知加子 水生木版の平面
立体作品
ドローイング
会場風景　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＨＡ　ＮＡ　ＢＡ　ＮＡ　水性木版
　早川さんの作品、特に版画は数年前から拝見してきた。白い空間の中に、必ずしも判然としない昆虫や動物らしき小さな生き物が、飛んだり、蠢いたりしている様が表現されている。無限性を感じる空間に描かれていた小さい生き物たちは自由でのびやかである。見つめる作家の眼差しも温かい。閉塞感を覚える現代社会にあって、早川さんの作品は一服の清涼感をもたらしてくれる。それにしても早川さんの作品は水性木版とマッチしていて、色彩感覚が美しい。
　今回は水性木版の平面作品の他に、石粉粘土を使った立体作品、ドローイングなど意欲的な作品を出展。（芽楽）
■作家コメント
　「暗いものにふれたとき、自然の本当の甘さを知る。すぐ側にある小さなことが温かく光り　子供のように濃密な世界に目をとじ大切さを感じる。
　ナニが本当？　ナニが大切？　いつも思う。心の奥にある重要なもの　小さい頃見えたこと　いつものなかにある大切な光りを目をこらしてみたい。」
　子供の心のうごきは自由である。だからこそ、この空気を読み取り、いっぱいに感じた小さいものにたいする感覚や好奇心をかたちにし、心を浸すことで気持ちをよみがえらせることが出来たらと思う。
　そしてこれらを踏まえ、水性木版や立体などを通して見たものをそのまま描くのではなく、世界を広げたあの頃の思いと今の心を通し、自分なりのかたちで表現していきたいと思う。－早川知加子　
2006/7/1
～7/1６		 大原光一陶展
ー地球の欠片（かけら）ー		 大原光一 陶芸
会場風景　陶彫　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　陶彫・リング
　アーティストは時に、過去の表現域に満足せず、常にそれを乗り越えようと、もがき苦しんだり、心を開放したり、遊んだりしながら、新しい境地に挑戦していく。
　大原光一は、これまで制作してきた食器類から大壷まで、焼き締めの作家としてのイメージを定着させてきた。しかし今回の展覧会でそのイメージを覆えそうとしている。中心に据えたオブジェからは、原初的な生命感、燃えるような情念、音楽性、などが感じられる。この新しい試みはこれまでの仕事との間を振幅しながら新たな作品域を形作っていくにちがいない。（芽楽）
■作家コメント
亡んだり、盛えたり、
はるか創世記にこんなものたちがいた・・・・
なんて考えると、楽しくなってくる。
ー大原光一ー
2006/６/２２
～６/２６		 陶・ふたつの宙展
ー染付/多和田清子、オブジェ/多和田千春ー		 多和田清子
多和田千春		 陶芸
多和田千春 多和田清子
■陶・二つの宙展によせて：陶芸家　柴田節郎氏のメッセージ
彼女達の個を大切に語りたいと思う。
まだ、陶芸の世界に入って、浅い日々、技術も未熟だけど、アートは創造性なくしては作品にならない。技術はその後厚みを増して成長していく。今回は、成長の過程のエキジビションであり、努力次第では世に出て行く可能性を秘めていると思う。
　清子さんは、染付の鉢を中心にとした、オーソドックスだが、その内に込められた物語を作ろうと必死に自分の宙の染付にチャレンジしている。千春さんは、現代陶芸を全身に感じて努力を積重ね、全国展にも受賞、入選を重ねて、陶芸を志す作家としては非常に幸せなスタートをしている。
　今回初めてのエキジビション、親子という見方を捨て、個々の宙の作家として鑑賞してもらいたい。ー柴田節郎
2006/６/３
～６/１８		 塚本智也展
ー分散する光ー		 塚本智也
 油彩
会場風景　作品は「パズル」 「映る」
　塚本智也は、光りと影によって対象を描く。シンプルな構図、シンプルな色であるが、そこには本質を捉えようとする意図が窺える。混沌とした現代社会、大切なものがみえない時代、塚本は絵の制作を通じて大切なもの、本質的なものを見極めようとしている。（芽楽）
作家コメント　「分散する光」によせて
　描いたり消したりする行為にともない、画面の空間は常に揺れ動く。それは心の変化でもある。最後に残ったものを鮮やかに留める。絵に描かれることでしか生まれてこなかったモチーフは、永遠に絵の中で生き続ける。描くという行為を大切にしていきたい。－塚本智也
2006/６/３
～６/１８		 冨本大輔展
ー些細ー		 冨本大輔 陶芸
トモシ
　冨本大輔は陶芸家であるが、むしろ陶を素材とした造形作家と呼ぶべきかもしれない。出会いは白い鉢、緑の苔との対比が鮮やかであった。その後３回の個展を開催したが、いつも切れ味の良い作品で美意識を刺激してくれる。真っ白いムクの四角い塊、しろの筒、丸や長方形のスイバン、デザイン性に富んだ器、などなど。作品と材との取り合わせ、使い途によってはハッとする美を生み出す。材の選択を楽しむ作品でもある。
　今回のテーマ「些細」から何が生まれるか、楽しみである。。（芽楽）
　普段、時の流れの中で見過ごしてしまいがちな、ささいなこと、が自分にとってとても大きなことであったりします。そんなささいなことを表し展開できればと・・・。－冨本大輔 プチプチのサラ
2006/５/１３
～５/２８		 秋田光彦水彩画展
ー野路の風Ⅱ－		 秋田光彦 水彩画
叢樹の秋 鯵
　昔ながらの自然の佇まいは日一日と少なくなっている。秋田光彦は身近に残る野辺や林を慈しむように描きとどめる。四季折々に見せる自然の美しさ、風のそよぎ・・・。ごゆっくりご鑑賞ください。（芽楽）
作家コメント　野路の風によせて
私は人間の暮らしの近くにある自然の造形に心惹かれ、水彩画として形にしてきた。深山幽谷の地ではなく身近な森や林の陰影を求め野路を歩き、それを描いてきた。そこはちょうど人間の生活圏と自然界との境界域のようなところだ。例えば河川敷のなかの市民の憩いの場として美しく整備された公園、そのすぐ脇に広がる、人のあまり足を踏み入れたことのない雑木林。繁茂する木や蔓が獰猛なエネルギーのかたまりになって奇怪な形をつくっている。
　そんな場所を徘徊しながら考えることがある。自然は人間にとって捉えようのない「闇」の世界を持つ。善か悪か、美か醜か、有用か無用か、そういう人間の判断や意志を自然は拒絶する。しかし人間は自然を全て明確な意味のもとにつくりかえようとしてきた。それが文明と呼ぶものだろう。
　古来、人間は自己自然の「闇」とともに、そうした自然の「闇」を畏怖し敬迎してきたのではなかっただろうか。生活域とは別に人間にとって必要なものとして、非日常の領域として保持してきたのだろう。私は目の前で、次々と森や林が伐採され大規模な土地の造成工事が行われているのを見ながらふと思う。この時代の人間にとって自然が畏敬の対象であったのは、もはや遠い昔のことなのだろうか。人間の恣意によって、限りなく自然の「闇」を消滅させ、それを支配し、つくりかえることがどこまで許されるのだろうかと。ー秋田光彦
2006/５/１３
～５/２８		 大泉讃・食楽の器展 大泉讃 陶芸
会場風景 ご飯茶碗
讃さんはいつも明るく、おおらかで暖かい。作品はその性格をそのまま反映している。手に持つとふっくらとしてじんわり暖かみが伝わってくる。使えば使うほど味わい深くなる。食事の楽しさ、豊かさを教えてくれる讃さんの器、お楽しみください。（芽楽）
初日と２日目に「薪焚ご飯を美味しく食べる昼食会」を開催しました。
2006/４/８
～４/２３		 　房　ふさ展
ー広瀬淑子（平面）、藤原優子（平面）、藤原葉子（立体）ー		 広瀬淑子、藤原優子、藤原葉子 平面、立体
　　　　　　　　　　　　　広瀬淑子　紫陽花より　　　　藤原葉子　ｋｅｅｐｅｒ 広瀬淑子　紫陽花より 藤原優子　ｗａｔｅｒ
作家コメント
　それぞれ美術に携わってきた家族が、はじめてひとつの場に作品を展示する機会を得ました。三つの個性が響き合う心地よい空間を創り出すことができればと考えています。ー広瀬淑子
　広瀬さんのご一家は全員アーティストである。広瀬淑子さんは１９７８年以降、数々の個展、グループ展を開催されているが、その折々に具象、抽象、平面、立体、インスタレーション,小品から大作まで、作風は大きな変化を遂げてきています。ご子息の隆洋氏は東京芸大大学院を卒業,東京を拠点にギャラリー、美術館などでバルーンなどの大きな作品で展覧会を活動しています。隆洋氏の奥様、優子さんは多摩美大を卒業、白をベースにした立体、平面作品を制作し東京、大阪、ニューヨークなどで展覧会活動を展開しています。長女の葉子さんは武蔵野美術大学を卒業、東京を中心に木彫作品を発表しています。
　展覧会名「房 ふさ」は家族を象徴しています。今展は隆洋氏を除く３人の個性ある女性による作品展です。広瀬さんの今回の作品は故郷の南木曾で自ら漉いた和紙にアクリルで描いた抽象表現、優子さんは、木、ウレタン、樹脂を使った平面作品(water series)、葉子さんはカヤの木を素材にした木彫作品を出展しました。（芽楽）
2006/４/８
～４/２３		 鯉江明陶展
ー窯で焼いたものー		 鯉江明 陶芸
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　花入　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　花入　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゆのみ
作家コメント
　熱い、眩しい、綺麗、嬉しい、など、リアルな気持ちを、より身近で体感したいと思い、土づくりから炎づくりまで、気持ちを入れてつくっています。ー鯉江明
高名な陶芸家を父にもつ鯉江明は、小さい頃から土や火は身近にあったが、自らの職業として目指していた訳ではない。保育士の体験を積むために行ったタイで、目にした親子の触れ合いを見て親の仕事へのわだかまりが消えた。
　ちょうどその頃常滑の天竺で穴窯をつくる機会を得、それが陶芸との最初の関わりである。自ら作った窯に愛着を覚えそれを焚くことに強い関心を持った。薪の量、窯の火力、作品の反応を見極める日が続いている。「火との距離感」は徐々に短くなった。火のゆらめきが自分の手となる日も近い
　そして火から始まった陶芸の道は今、「土」「ろくろ」へと関心の広がりをみせている。作品も湯呑からおわん、花器・・・へと。
　陶芸がいよいよおもしろくなってきた鯉江明の作品展。(芽楽）
2006/3/4
～3/19		 ガラスの仕事・伊藤孚
ー実材との対話ー		 伊藤孚 ガラス
会場風景　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　丸、三角、四角
作家コメント
　人間の知的遊戯として、手を使い、ガラスという実在を活用して、モノを作る。それも、一番単純な所から再出発している現在にあります。ー伊藤孚ー
　伊藤孚は日本における新しいガラス芸術の流れをリードしてきた作家である。多摩美大日本画部卒業であるが、まもなくガラスを志す。ガラス工場で修行の後、自宅に溶解炉を設置しするなど、アートの素材としてのガラスの可能性を探り、新しい表現方法を模索しつつ、設備や手法も革新を続けながら素材の不自由さを克服してきた。
　今回は「素材と対話し、一番単純な所から再出発」の展覧会である。ガラスとしてはめずらしい平面作品であるが、ずっしりとした厚みがあり、表面に刻まれたシンプルで美しいカタチや痕跡は光を透したり、とじ込めたりした厚みの中で奥行きと深みをみせる。そこには「ガラスの必然性」がある。（芽楽）
2006/3/4
～3/19		 倉本陽子ガラス展
ーフラットボトルズー		 倉本陽子 ガラス
会場風景　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フラットボトルズ
作家コメント
　長く続けて来た吹きガラスの仕事を離れ、キルンワークで作品を作っています。技法が変わったせいか、扁平な形が面白く、ガラスの表面も、つるっとしたものから、テクスチュアを楽しむようになりました。絵でいうとちょっとフレスコ画のようなタッチ、そんな新しいガラスの表情が出せたらと思っています。－倉本陽子
2006/2/4
～2/19		 加藤万也展
ーピクルス－		 加藤万也 立体造形
会場風景　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　千羽鶴の開き
　メディアの発達や情報の拡散によって世界観が大きく変わって来た現在における「芸術の価値」とは一体どのようなものであろうか。私はそれを「主体が保持している個的価値観と、一般化されているかのように見える世界観との、共有領域の曖昧性を指し示すこと」だと考えている。個人の意志と社会秩序（常識）との間の「あたかも安定して鎮座している様に見える領域」がいかに恣意的な操作の軌道上にあるのか、もしくは、個人の感覚に相容れないものであるかを、私は作品を通して鑑賞者の感覚に直接訴えかけたいと思っている。ー加藤万也
感じること、そして発想することが創造の起点となる。それはビジネスであれ、アートであれあらゆる創造的行為に通じる。発想の豊かさは豊かな創造を生む。加藤万也さんがここ数年次々と生み出している作品から,「ものを見る視点」や「発想力」、「生出す力」の豊かさを感じています。（芽楽）
2006/2/4
～2/19		 湯山治子　陶展
ーＨＡＲＵＫＯ　ＨＯＵＳＥ－		 湯山治子 陶芸
ＨＡＲＵＫＯ　ＨＯＵＳＥ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　焼酎杯
イノシシ、カモシカ、リス、タヌキ、キツネなど、たくさんのいきもの達がいる中津川に生活の場を移し、やきものの仕事を再開いたしました。　自然の豊かな、静かな場所でつくったオブジェや器、みなさまにご覧いただければ幸せです。　－湯山治子（旧姓　ひらたはるこ）
　昨年（‘０５年）の夏、東濃山中（中津川市）にある湯山さんの新しいアトリエを訪ねた。豊かな緑に恵まれた傾斜地に住居とアトリエがある。木工作家のご主人と二人で自力で建てられたそうである。都会にあるような便利さはないかもしれないが、そこには自然の恵みとゆったりとした時間の流れ、わずらわしさのない創造空間がある。そんな環境で作られた湯山さんの器やオブジェにはあたたかみが感じられる。（芽楽）
2006/1/１4
～1/29
 安藤陽子展
ーＴｉｍｅｌｅｓｓ－		 安藤陽子 洋画
会場風景 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｕｎｔｉｔｌｅｄ
触れると消えそうな儚いぬくもりを、せつない一瞬を、たしかに絵に染み付けることが出来たらという気持ちで描いています。永遠への望みを込めて・・・。－安藤陽子
安藤陽子の作品を初めて観たのは2005年の春、大学院修了展の作品「Ｐｈａｎｔｏｍ（幻影）」である。光りの空間の中に薄衣をまとった後ろ向きの若い女性が左右に手を広げ、振り向き、その目は観る者をとらえている。シンプルな構図のなかに女性の普遍的な美しさと強さを感じさせる作品であった。　時代とともに女性の美しさの基準が大きく変化する中で、その普遍性を問う展覧会となれば幸いです。（芽楽）
2006/1/１4
～1/29		 松下涼展
ーコイカタツムリー		 松下涼

 陶芸
会場風景　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コイカタツムリ
摩訶不思議
腐食し流れ落ちる華
瓦礫に埋もれる怒る龍
はがれ落ちる壁の壊れた柱時計
奇妙奇天烈
時刻は９時である。
松下涼ワールドへどうぞ。		 松下涼は代々陶芸を営む家系の５代目である。小さい頃から土に慣れ親しんだ松下は高校のセラミック科、陶芸研究所などでさらに研鑽を重ねる。。その間数々の現代美術、現代陶芸に親しんだ。今、制作の対象はオブジェに重点を置いている。モティーフは自分。前回の個展ではザリガニみたいにいきがっている自分、蓑虫みたいに包まってエネルギーを溜め込んでいる自分、を表現した。そして今回はコイカタツムリ、滝をかけ上がる鯉、一歩一歩着実に前へ進むカタツムリ、に自分の姿を重ねあわせる。
　２２歳の若者の創作意欲は旺盛である。前回の初個展からわずか８ヶ月を経ての２回目の個展。（芽楽）